
植物は四季折々にたくさんの花や紅葉によって、彩り豊かな季節を私達に見せてくれます。
しかし、その一つ一つの旬はとても短く、子どもと一緒に拾って持ち帰っても、帰宅する頃にはしおれた花や千切れた枯葉として処分するしかない…、という経験はありませんか?
せっかく家族で自然の美しさを楽しんだのに、思い出が写真だけではもったいない!
そんな時は、すぐ押し花や押し葉に加工できるようにして持ち帰り、その草花を美しい姿のまま保存してみましょう。
更に、それを材料に使ったアート作品を身近なところに飾っておけば、見る度にいつでも自然を思い出すことができます。
工作は草花をじっくりと観察する機会となり、植物や自然への興味を深めるきっかけにも繋がるため、自由研究にもオススメです!
押し花は種類によって厚みや水分量が異なり、思い通りに仕上げるのがなかなか難しく、子どもと一緒に作るのは心配…という方のため、今回はより手軽で子どもにも扱いやすい「押し葉」の最新の作り方や注意点、家族で作れるアート作品へのアレンジ方法をご紹介します。

綺麗な押し葉を作るのに大切なのは、最短時間で完全に乾燥させること。
そのため、水分が抜けやすく厚みのない葉が向いています。
また、傷がなく落ちて間もない綺麗なもの、水分が残っていて柔らかいものだと、押し葉にした時に葉が割れず変色もしにくいのでオススメです。
綺麗な落ち葉を採集するなら、見物人に踏まれてしまう前の午前中に行くのが良いでしょう。
しかし、折角拾った葉をいかに綺麗な状態で家まで持ち帰るかが最大の試練…。
その悩みを解決する、三種の神器ともいうべく必須アイテムが「キッチンペーパー」、「クリアファイル」、「A4サイズの雑誌」です!
2枚1組で切り取ったキッチンペーパーを2〜3組用意し、切り取り線を中心にして重ね、そのまま半分に折って本のようにします。
それを綴じている側からクリアファイルに入れ、雑誌の真ん中辺りに挟んだものをバッグに入れて持ち歩き、拾った葉をキッチンペーパーの間に挟んでいくだけ。
これで持ち帰るまで葉が折れ曲がるのを防ぎ、その後の押し葉への加工がスムーズにできるようになるのです。
帰宅後は押し葉にする前に一度取り出し、土と雑菌を落とすために優しく水洗いしてください。
水気を丁寧に拭き取ったら、いよいよ押し葉作りです!

一番手軽で失敗が少ないのは、本に挟んで乾燥させる方法です。
① 本の大きさに畳んだ新聞紙の上にキッチンペーパーを広げる。
② 葉が重ならないように並べたら、上からもう1枚キッチンペーパーと畳んだ新聞紙を被せる。
③ 図鑑や辞書などの重みのある本を乗せて、1週間ほど待てば完成!
昔ながらのこの方法は今でも健在ですが、乾燥までにやや時間がかかるのが難点です。
そこで、こんな便利アイテムのご紹介。
キッチンペーパーよりも吸水性の高い、押し花専用の乾燥シートがあるのをご存知ですか?
押し花作家の方も愛用しており、乾燥時間を短縮するだけでなく、仕上がりも美しくしてくれる一石二鳥のこのシートが、なんと100円ショップでも購入できるのです!
これは試してみる価値ありです。
どうしても今すぐに押し葉が必要な時には、アイロンや電子レンジの力を借りて、時短で押し葉を作ってみましょう。
① 電子レンジの庫内に収まる大きさ(ターンテーブル式の場合は回転皿の大きさ)に切った段ボールを2枚用意する。
② 葉が重ならないようにキッチンペーパーや乾燥シートで挟む。
③ 更に段ボールで挟み、輪ゴムでしっかり固定したら、600Wで1分加熱する。
電子レンジは加熱ムラがあるため、必ず一度取り出して確認し、ムラがあれば段ボールの向きを変えながら10秒ずつ追加します。
全ての葉がピンと立つようになったら、段ボールを外してよく冷ましてください。
アイロンを使用する際は、段ボールの代わりに畳んだ新聞紙を用意します。
ペーパーに挟んだ葉を低音で20〜30秒加熱し、様子を見ながら10秒ずつ追加しましょう。
電子レンジに比べて加熱できる範囲が狭いため、必ず1〜2枚ずつ作り、焦げないようこまめに葉の状態を確認してください。
出来上がった押し葉は、ペーパーに挟んだままシリカゲルと一緒に保存袋に入れておくと、湿気を防ぎ綺麗な色が長持ちします。

ピンと平らに整った押し葉は、紙にも貼り付けやすく工作の材料に打ってつけです。
簡単な作り方としては、台紙となる紙に絵や文字を描いて、のりか両面テープで押し葉を貼り付けるだけでも完成ですが、子どもと一緒に葉の色や形をよく観察して、「何の形に見えるかな?」と相談しながら想像力を広げていくと、思いもよらない素敵なアートが出来上がるかもしれません。
まだ絵が描けない小さな子どもでも、もみじの隣に手型を押してみてはいかがでしょうか?
家族みんなで作った思い出が増え、毎年作れば子どもの成長記録にもなります。
また、落ち葉拾いの風景や家族の写真を押し葉で飾り付ければ、フォトフレームもいつもとは一味違ったアート作品になるはずです。
押し葉は日差しと湿気に弱いので、出来上がったアート作品は直射日光の当たらない場所に飾りましょう。
フレームに飾る場合は、台紙の後ろにシリカゲルシートを貼り付けておくと、飾りながら湿気を防ぐことができます。
その他に、あえて台紙を使用せずラミネート加工するのもオススメです。
押し葉の大敵である湿気を遮断できる上に、お好みの形で透け感のあるお洒落な壁掛けを作ることができます。
熱を加えずに手で貼るタイプのラミネートシートが100円ショップなどで売られているので、ぜひ利用してみてください。
小さめに作って穴を開けリボンを通せば、栞にして持ち歩くこともできます。
季節の小さな思い出を、お爺ちゃんお婆ちゃんやお友達にもお裾分けしてみませんか?